ケータイ小説 野いちご

眠れないほど好き【短編】

「惚けないでくださいよ。付き合ってるって噂ですよ。市羽さんはまるっきりポーカーフェイスですけど、唐沢代行はあからさまですもんね」




付き合ってる? 

市羽さんと唐沢代行? 

知らなかった……。

っていうか。




「市羽さん、て、わたし?」

「うちの支店にはほかに市羽さんていませんけど」




志穂はとても先輩への口調とは思えないほどつっけんどんに云った。


「あーあ。わたしのほうが若くてイケてるはずなんだけどなぁ」


失礼極まりない文句をぶつけ、志穂は自分の席に戻っていった。


わたしは無礼に怒るよりも呆気にとられた。


思わず唐沢の姿を探してしまった。

営業課長と話していた唐沢はわたしの視線に気づいたのか顔を上げた。


にやりとした顔が獲物を狙う豹みたいに見えたのは気のせいだろうか。


瞬きしている間に、唐沢は営業課長に目を戻していた。




どう……いうこと?

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