真人は私なんかと違って頭が良く、顔も無駄にいいもんで、女なんか困らないって感じ。
しかも、高校にはスポーツ推薦で入ったくらいスポーツ万能。長身をいかして今年の夏に引退するまでバスケのキャプテンをしていた。
なんでもこなす兄。
なんにも出来ない妹。
お前なんか大嫌いだ。って何回心の中で叫んだだろうか・・。
心の中じゃ・・意味ないのに。
それから10日間。中学最後の期末テストを終え、冬休みに入った。
やっと少し力が抜け、一息つく。
ふぅっ。とため息を吐くと外気にさらされた真っ白な息が揺れる。
10日前に買った本はもうとっくに読み終わり、枕の下はもう空っぽ。
私はまた天国に向かってグッとペダルに力を入れた。