「優芽さん」


「あたしが、それでもいいって言ってんのよ!!だったらあんたも素直になりなさいよ!」


いつの間にか涙が溢れて来て


頬を伝っていく。



「俺は..分かってる?君の傍にいたらいけないんだよ?」


「そんなの、誰が決めたのか言ってみなさいよ、ほら!!」


「俺は大事な人が出来たらいけないんだ」


「そうやって逃げてるだけよ!!あんたは!!」


「違っ..」


「違わない!!だったら証明してみせなさいよ!!」


「優芽さ」


もうこの人には何も通じない。


そう思ったあたしは、開いたその唇に強引に唇を重ねた。


最初は軽く、次第に深く、

龍平さんの気持ちを確かめるように。



やがて唇が離れて



「あたしは」


「優芽さんには本当に参るね」


クスッと笑ってから


今度は龍平さんから唇が重なった。