そんな俺、神埼夕斗はこの間から高校2年になった。
「お前は……美佳ちゃんという人がいながら!女だとー!」
まだついてくるし。
しつこいなぁ。
「あいつは彼女でも何でもないし、ただの幼馴染だし、だいたい、好きでも何でもない」
「あー!美佳ちゃん可哀相に……」
「なんだよ、それ。じゃ、俺寄るとこあるからじゃーな」
「次は絶対に連れてくからな!」
「永遠にパス」
そしてまた片手を挙げて、靴箱がある中央玄関に向かった。
ハァ……。
なんか最近やたら合コンだのカラオケだのって誘われるよな。
本当に、興味がない。
……今はそんな事考えられる余裕、俺にはない。
――ゴン!
「……いてっ!」
そう考えてると、頭に激痛が走る。
「なにすんだよ!……って、美佳かよ」
後ろを振り返ると、幼馴染の本庄美佳が立っていた。
さっき、クラスの奴が言っていた女だ。