「はぁ……」


校舎裏のベンチに座りながら、膝を見つめる。

しばらくの間感じていない、
愛らしいあの子のぬくもりを思い出しては息をはく。


すると即座に隣に座っていた先輩たちが反応した。



「どうしたんや、雪乃ちゃん。めずらしくえらい悩ましげな溜め息なんかついて」


「恭介が邪魔だってさ」


「んなこと雪乃ちゃんは言わへんわ!なぁ?」



「……はぁ…」


「「……」」



先輩の言葉は右から左へ抜けていき、再び溜め息をついた。


今の私はただひとつのことで頭がいっぱいだ。



…あぁ…。

しずくちゃんに会いたい……。