席を立ち『ドムズ』を出ていく詩音を、あたしは黙って見送った。

いつだってそう…

近づきたい人は、あたしから去っていく。

手元には冷めた手つかずの照り焼きバーガーが

もう食べてくれるなと言うように、香りも熱も失っていた。