思わず先輩の顔を見返す。


…いきなりなんだ。
好きな人?



「…えっと…」


「あ、猫とかナシだよ」


「……」



思っていたことを言われてしまい、口ごもる。


ムスッとしながら…といっても、もともと無表情だったけど、

少しだけ頬を膨らませると、先輩が苦笑した。


「雪乃ちゃん、わかりやすい。人だよ、“人”」


「……いませんね」



…そもそもそこまで人に興味を持たないし。