ケータイ小説 野いちご

純愛バトラー

 なかなかの美人だが、予想通り男慣れはしていないな。下手すると付き合った経験もなさそうだ。

「少しこなさなくてはいけない課題が貯まっていてな。わざわざこちらに呼びつけてすまない。佐伯。案内ご苦労であった」

 そう言うと、部屋の主はオレに視線を向けた。大人しそうな容姿と口調のギャップに、オレは思わず心の中で苦笑する。

「そなたが私の専属執事か。私の名は御剣絵理。御剣兼定の娘だ。名は、確か草薙と言ったな」

「草薙陣と申します」

 姫君に極上の笑顔を向ける。

「それでは絵理様。私は母屋に戻ります。ご用事の際は草薙に何なりとお申し付けを」

 そう言い残して、佐伯執事長は退室した。

 ……さて。邪魔者はいなくなった。

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