ケータイ小説 野いちご

LOVELY☆ドロップ


ざあざあと雨音が強くなるその中で、横断歩道の青信号を知らせる、カッコウ鳥の鳴き声を真似た電子音が虚しくあたしの胸に響いた。


――――ここは屋外で今日は日曜日。

外を歩く人はいつもより多い。

でも、誰ひとりとしてあたしが泣いていることには気づかない。



だって、今は冷たい雨が降っている。

通勤カバンを頭上にかぶせていたり、フードをかぶったり……。

みんな突然降り出した雨からなんとか逃れようと必死になり、あたしを空気のような存在にして横切っていく。


あたしのことなんて誰も見ない。

自分はみんなにとってどうでもいい存在で、孤独なんだと思い知る。



……信号は青。

それなのに、もう進むこともできやしない。




あたしはひとり……。




そう思えば思うほど、降りしきる冷たい雨と一緒になった絶望があたしの体を冷たくさせる。

おかげで、あたしの足はとうとう立ち止まり、うずくまってしまった。

悲しみの涙をこぼし、ひとりきりで横断歩道の前でこの世の終わりを実感する。



ただただ悲しい想いが――。

苦しい心が――。


あたしを襲っていた。



冷たい雨は槍となり、うずくまるあたしの体を容赦なく突き刺してくる。


真っ黒な脳裏に浮かんだのはほんの30分前の出来事。

その時のあたしはたしかにこの世界に存在していたと思っていたし、幸福だと思っていた。


あの人の、たった一言さえ聞かなければ――……。



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