「アピール?してるさ!最大限に!!」


先輩はヤケクソのように叫ぶと、自嘲気味に笑った。


わぁ。先輩自暴自棄になりかけてる。


……っていうか。

「いつも思ってたんですけど、なんで私に恋愛相談なんですか?」



私は自分で言うのもなんだけど、恋愛経験なんてゼロだ。

それに人付き合いだって少ない。


私に相談してる限り、先輩の恋は成就しない気が……



「そんなの俺が雪乃ちゃんに相談にのってもらいたいからに決まってるじゃん!」


「いや、べつに相談にのるのはいいんですけど、私に相談したってなんの得も……」


「ある!超得あるから!!俺的には!」


「…近いです先輩」



私の両肩に手を置き、何故か必死に話す先輩の体を押しのける。


先輩は「あ、ゴメン…」と言うとすぐに離れた。