彼には昔から夢があった。



それは子供の頃に両親が夜な夜な観ていたドラマがきっかけだった。



夜の9時になると無理矢理「寝ろ」と言われ、子供ながらに理不尽に思っていたのを覚えている。



“ナゼ眠くないのに寝ないといけないのか?”



そして、こうも考えた。



“自分を寝かせて父さん達は何をしているのか?”



ちょっとした好奇心だった。



素直に親のいう事を聞いたフリをして、コッソリ部屋を出ると廊下からリビングを覗く。



かじりつくようにテレビを見入っている両親が居た。



何を観ているのか気になって自分も少し背伸びをしてテレビ画面を覗いた。



それは当時流行っていた海外の刑事ドラマだった。