「えっ…私どうすれば…?」

「ダメって言って!」

ひなが怒ってる迫力に負け、

「ごめん…またこんどにして」


「わかった。今日の放課後、また来るから。じゃ」



…なんだったんだろ。

高二になって、はじめて話した気がするくらい、関わりはなかったんだけど…



「……最悪」

ボソッと呟いたひなの声が耳に入ってきた。


「ごめん、苺花。なんか今、相談にのる気分じゃ無くなった」


「あ、ううん。じゃあ、席戻るね」



坂下くんとひなのギクシャクしていた理由は分からないままだった。



――放課後。


「橘!今、いい?」

「あ、うん」


坂下くんについて行くと。


「どうしたの?坂下くん。渡り廊下で」


「直球に聞くけど…今彼氏いる?」


「ほんとに直球だね…。いないよ、彼氏」



「俺と付き合って!」



……外から聞こえる風の音。
そして下校準備をする生徒の声。



その中に、坂下くんの声。

「私…が?」


「うん」


生まれてはじめて告白された…


「あのっそ…その、わ…」

私には好きな人がいます。

はっきり言えばいいの?