女は膝の上で作った拳に力を入れて、暫くの沈黙の後に弱々しく告げた。
「…ヤクザの人にね、 殺されちゃったの」
後頭部を鈍器のような物で殴られたような感覚がした。
思うように呼吸が出来ない。
今にも倒れてしまいそうだ。
「…ヤクザ?」
「…うん」
レオが聞き返すと、小さく頷く女は、酷く怯えていた。
俺はその時、全てが終わった気がした。
それが何かなんて分からない。
でも、形のない…目に見えない何かが確実に終わった。
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