「暑かったですもんね? しかも節電で職場は暑いし、俺も正直疲れ気味ですよー」


まだ残暑が厳しい毎日だけど、酷暑と言うべき夏の暑さは漸く峠を越え、特に朝晩は涼しく感じるようになった秋口だった。


「お料理を残すとマスターに悪いから、私の分も食べてくれる?」


「いいですけど、なるべく食べた方がいいですよ?」


「そうね。がんばってみる……」



結局半分以上残してしまった私の分の料理も、祐樹はあっさり全部食べてくれた。


そして、祐樹が食べ終わるのを待っていた私は、ドキドキしながら話を切り出した。


「祐樹……」


「はい?」


「あの話……まだ有効?」