口からこぼれる声は、うれしそうに浮かれている。

ところが、美衣子は静かに聞いているだけ。


『・・・そう、よかったな。・・・ごめん、キャッチやから・・・また明日聞くわ』


そう言ってそっけなく電話を切る彼女。

浮かれる舞はそのとき、いつもとは違う彼女の反応を、深く考えたりはしなかった。



次の日の朝、教室の窓際にいる美衣子を見つけ、舞はうれしそうに走り寄る。


「美ぃ・・・」

「よかったなぁ!! おめでとうデート!!」