どこかの軍隊なのだろうか。
物々しい警備。
早朝からこれ程の人数が集まっているとは尋常じゃない。
どこかのお偉いさんでも訪問するのだろうか?
興味はある所だが、一学生が兵士に訊ねても、きっと任務だからと教えてくれないだろう。
(ま、どうでもいいけどね…)
再び新聞に視線を移していると。
「おはようございます万里さん、早いんですね」
男の割には細い声が聞こえて、万里は顔を上げる。
「あぁ、秋帆…あんたこそ早いじゃない」
「いえ、僕は早起きじゃなくて寝ていないだけです」
蒼白い不健康そうな顔をして秋帆が言った。
食事は気が向いた時だけ、睡眠は眠くなったら。
秋帆はいつもそんな生活を繰り返しているらしい。
不健康こそ健康の秘訣とでも思っているのだろうか。
いつも血色のいい肌の色、日光浴こそ我が人生とでも言わんばかりの雛菊とは実に対照的だ。
物々しい警備。
早朝からこれ程の人数が集まっているとは尋常じゃない。
どこかのお偉いさんでも訪問するのだろうか?
興味はある所だが、一学生が兵士に訊ねても、きっと任務だからと教えてくれないだろう。
(ま、どうでもいいけどね…)
再び新聞に視線を移していると。
「おはようございます万里さん、早いんですね」
男の割には細い声が聞こえて、万里は顔を上げる。
「あぁ、秋帆…あんたこそ早いじゃない」
「いえ、僕は早起きじゃなくて寝ていないだけです」
蒼白い不健康そうな顔をして秋帆が言った。
食事は気が向いた時だけ、睡眠は眠くなったら。
秋帆はいつもそんな生活を繰り返しているらしい。
不健康こそ健康の秘訣とでも思っているのだろうか。
いつも血色のいい肌の色、日光浴こそ我が人生とでも言わんばかりの雛菊とは実に対照的だ。