「万里はどうするねん?」

八鶴の問いかけに。

「ダルイ。昼食まで部屋で寝てる」

素っ気無い態度の万里。

「何や、勿体無いなぁ、せっかく修学旅行来たのに」

ボリボリと頭を掻く八鶴。

「秋帆はどないすんねん?」

「ぼ、僕は…」

普段の彼なら、万里と同じく部屋に籠もってしまう所だろうが。

「……」

本を読むふりをしつつ、視線は相変わらず雛菊をロックオン。

一歩間違えれば変態さんだ。

(あー…秋帆に訊くより雛菊ちゃんに訊いた方が早いな)

八鶴はやれやれと苦笑いした。