ケータイ小説 野いちご

天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

「大体何で転校してきたんだよ雛菊。前の学校に大人しく行ってりゃよかったのによ」

「またまた冷たい発言!お姉ちゃんは寂しいよ」

ヨヨと泣くふりをしつつ、雛菊は首を左右に振ってツインテールの長い髪を揺らす。

「前に文化祭に遊びに連れてってもらって以来、天神学園って楽しそうと思ってたのよ。変わった人多いし、ほら、猫ちゃんも可愛いし」

部屋の窓の外から覗く快(かい)を見つけて、雛菊は手を振る。

「変わった人ねぇ…」

龍太郎は呆れ顔。

弓で後頭部を狙撃する方向音痴の女子生徒が、『変わった人』程度の扱いで済まされるとは。

雛菊の頭の中は相当おめでたいらしい。

「でも転校してきて一週間くらいだからさあ、あんまり知り合いいないのよ。龍太郎が修学旅行ついてきてくれると頼りになるんだけどなぁ…」

「だぁかぁら、俺は1年だから修学旅行対象外なんだって」

準備が終わったらさっさと帰れとばかりに、龍太郎は立ち上がる。

「昔はあんなに『ひなぎくねーちゃん』『ひなぎくねーちゃん』って、着替え中の私に纏わりついてきてたのに…君少し変わったんじゃないかい?」

「勝手にお前が何処ででも着替えてただけだろが!俺を変態みたいに言うな!」

龍太郎はまくし立てた。


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