そう言われてムカついてクソガキから離れようとしたけれど、レイヤは笑ってあたしを抱き締め続けた。 切ない。 切ないよレイヤ。 「サキ」 「何?」 「キス、したい」 似合わない甘えた声につられて、あたしはついこう答えてしまった。 「うん」 転がってレイヤが上になる。 唇が触れると、またあたしのシャンプーのにおいがした。 「ねぇ、レイヤ」 「ん?」 「……したい」 悪者