共に入ってくる2人の生徒。


「あ!」


散葉の声を聞いた那古は、小さな声で話し掛けてきた。


「ちょっと、散葉どうしたの?知り合い?」


「えっと、そんな感じなのかな」


其所に立っていたのは、紛れもなく、あの日の少女と、少年だった。


散葉は息を呑んだ。


(転校生、だったんだ。どうも見た事無い訳だ)


散葉が色々考えている間に、自己紹介を終えたらしい。


(名前、聞き逃しちゃった)


しまったと思いつつ、後ろの席の那古に聞いた。


「ごめん、那古ちゃん。名前、何て?」