──以上。
これで、俺の話は終わり。

まだ頭が混乱してるから上手に話せなくて、すぐに話が逸れて必要以上に長くなって、本当にゴメン。

もしよければ、月曜日にアドバイスを貰えると嬉しいんだけどな。

俺、女の子の気持ちなんてサッパリ分からないから。
高橋と……もし迷惑でなければ山野上にも意見を聞きたいんだけど。

だってほら、山野上なら、キヨちゃんみたいなオトナの女の人ともうまく付き合っていけそうだと思わない?

でも、高橋の目の前で山野上にそういうことを聞くのって、やっぱり問題アリかな?



それと、最後にもう一つ。
俺の本名は、東雲 永輝(えいき)っていうんだ。

キヨちゃんは“アキ”って呼んでくれたけど、
“Aki”は、全角の『A』を『エー』って読ませるから、“アキ”じゃなくて“エーキ”。
これが俺のハンドルネーム。実は本名なんだ。

高橋は以前、俺の名前を覚えてないって言ってたよね?
だからコレを機に覚えてくれると嬉しいんだけどな。


それにしても『永遠に輝く』だなんて、俺のことを知ってる人が100人いたら、そのうち99人は「完全に名前負けしてる」って笑うよね。

……でも、残りの1人だけは違う気がするんだ。

それはきっとキヨちゃんで。

キヨちゃんなら間違いなく、
「いい名前をつけて貰ったね。その名前に負けないように、頑張らなきゃ!」
俺の肩をバンバン叩きながらそう言って、応援してくれると思うんだ。


そうだなぁ……。
今夜のメール、この名前のことから始めてみようかな……。




──それでは、この続きは月曜日に。

こんな長い文章を最後まで読んでくれて、本当にありがとう。

俺もそろそろお店を出ないと!
このメールを書くのに夢中になって、気がついたらすっかり延長コースだ。

ここに通うお金だってバカにならないのに。
俺、早くオトナになりたいよ……。



それでは、高橋も良い週末を!
山野上と仲良くね。
イヤイヤ……俺がそんなこと言わなくても、十分仲がいいと思うけど、なんとなく。


くれぐれも、ケンカなんてしないようにね。



東雲永輝より




《東雲編・終》