割れて粉々になった窓ガラス。

直に差し込む、燃え盛る炎のような夕日。

強烈な腐敗臭。

散乱したファイルや書類。

壁にべったりとついた血痕。

何処からか聞こえてくる不快な呻き声と何かを引きずるような音。

床に転がっている死体。



“普通の人間”なら目を被いたくなるようなこの状況は、まさに地獄――――



そこにいるのは、辛うじて“生きている”男が一人と、もう一人。


この私。