初夏。 「うわぁ!遅刻遅刻〜っ」 珍しく寝坊した啓太は全速力で寮を飛び出し高校へ向かっていた。 朝食のトーストを頬張りながら。 曲がり角で可愛い転校生とでもぶつかれば確実に恋が生まれるであろうシチュエーションである。 だが啓太にその心配(別に恋が生まれるのが悪い訳ではないが)はない。 何故なら彼にはもう既に想い人がいるからだ。 ただし筆者の様々な都合上、ここではそれ以上は触れないのであしからず。