「あの…」

あたしは勇気を出して、その女の人に話しかけた。

「あ、もしかして玲央の彼女さん!?かわい〜!こいつ、大変でしょ〜?あなたにはもったいないわ。」

「もういいって」

女の人の声を制した玲央は顔が赤かった。

…その人には、そんな顔するんだ?

あたしには、しないのに。

「…すいません、失礼します。」

あたしは、いても立ってもいられなくなって、その場から走り出した。

「美桜!」

玲央のあたしを呼ぶ声が聞こえないくらい、必死に。