「―――…?」




「暁さん?どうしたんすか?」




京輔くんの声に、ハッとすると柚と彼が不思議そうに俺を見ていた。





慌てて笑みを繕い、誤魔化す。





「いや、またアレが出ても困るだろうから最終チェックだよ。もういないみたいでほっとした。」





俺の言葉に、柚はホッと息をついたように見えた。






このとき俺は、さっき見たものについて言及しない方がいいと直感で感じていた。





柚の、深い深い心の傷が見えた気がした。







そうして俺は車に乗り込み、京輔くんは隣の自分の家に入り、柚も笑顔で手を振り、やがては家の中へと姿を消した。





そんな中、俺は1人決心する。






優輔に、聞いてみようと。





俺たちは似ている。





もしかしたら柚は、俺の過去すらも受け入れてくれるのでは、と。





そう感じながら、夜のネオンが煌めく家路に車を走らせた。