「退け」



「……」



…優しいとこあるじゃない。

口は悪いのに。



「ときめかないけど」



「何の話だよ」



「いえ…何も」



口に出てしまい、私は焦りを表に出さないものの、内心、心臓バクバク。

直ったのか、武井さんはデスクに戻った。

騙されたらダメだ。

良いとこを見せて、私を更に服従させるつもりな筈。



「コピー終わりました」



「ん。このアンケート集計して、改善策を出せ。褒めるとこは褒めろよ」



「はい」



…ほら、来た。

って、これは仕事!

私、どれだけ警戒するんだか…。