「…実は…彼氏から暴力受けてて…でも全部あたしが悪いって…ずっと我慢してきた…」





莉奈が静かに重い口を開いてくれた。





「だけど…日に日に酷くなっていって…別れようと思っても怖くて出来なくて…。それなのに…お金貢いだりして、もう何もかも矛盾だらけで、どうすれば良いのか分から無くて…っ…」




震えた声で話す莉奈の頬にはあの時と同じ様に綺麗な涙が伝っていた。





俺は…ただ涙を流してるこいつに何もしてやる事は出来ねぇし、何をしてやればいいのかさえ分からない。





「…っ…ごめんね…凌」





ただ嗚咽を漏らしながら俺の名前を呼ぶ莉奈を強く抱きしめた。





細く弱い体で必死に俺にしがみつく莉奈をどうにかして助けてやりたかった。








静かな部屋に莉奈の掠れた泣き声だけが響いていた。