「うん…ごめんね…本当にごめんなさい」





俺の言葉に何度も頷きながら、助手席で必死に涙を堪えて小さく震えていた。






莉奈に出会って俺の中の何かが変わり始めた様な気がした。





これ以上苦しんで欲しくない…助けてやる事は出来なくても俺なりの優しさで…少しでいいから楽になって欲しかった。





俺は今までずっと何年間も人間、特に女に本気で優しくする事など無いまま生きてきた。





自分を偽ったまま人と本気で付き合おうともしなかった。





嘘の美化された自分で接して女を都合よく利用してきた。ホストになる前から俺は自分を偽り続けていた。






特定の彼女も作らず、親友とは呼べない仲間と適当に過ごしてきた。







その方が俺にとって何より都合がよくて1番楽だった。





そんな生活に嫌気がさしていながらも俺はその生活から抜け出す事が出来なかった。





でも莉奈と出会って…そんな生活も少しずつ変わり始めようとしていた。