その後も全く調子が出ないまま閉店時間を迎えた。





いつもの売上よりは低かったものの…なんとかNo.1は守る事が出来た。






今日は一段と疲れを感じて…店を出てすぐに煙草を吸いながら地下の駐車場に向かった。





鍵をスーツのポケットから取りだして車の傍に近づいた時…俺の動きは止まった。







真っ黒の車の横にふわふわに巻いた髪の女が笑顔で俺に手を振っていた。






薄いピンクのドレスを着て、見た目は誰がどう見ようと何処にでもいそうな普通のキャバ嬢。






でもこいつは…唯一俺の心を動かす女。





俺の全てを狂わせるただ一人の女。






「凌って<shelter>のNo.1だったんだね!びっくりしちゃった〜」


「莉奈…お前どうして…」





もう二度と会う事は無いだろうと勝手に思い込んでいた。





もう絶対に会えないと思っていた。






目の前に莉奈がいる事を直ぐには理解出来ずただ呆然とその場に立ち尽くしていた。