しばらく泉のことを考えてから、家に帰るついでに泉の家に寄った。
家の方向が一緒だから、なんとなく。
ポケットに手を突っ込んだまま、泉の家の玄関を見つめる。
そしたら泉との思い出が頭を駆け巡った。
……出逢った頃の泉は何か冷めた奴で、一匹狼の近寄りがたい雰囲気を持った奴だった。
転校して来た日に、学校の一番強い存在である頭の俺にケンカ売って来たし。
結局、勝敗はつかなかったけど。
思い出したら笑える。
でも本当は明るくて良く笑ういい奴で。
佐久間の差し金で俺が襲われた時は、助けてくれたよな。
……なんか嬉しかった。
だから仲間なんて要らないと言ったお前を仲間にしたくなったんだ。