「よーし、みんな聞いてくれ。大事な話がある」



あれ? 泉来てねぇな……


頬杖をつきながら、沙羅ちゃんの横の泉の席を見る。



「泉が転校した」



耳を疑った。


え? 泉が転校した…?



「本当は春休み前には分かってたんだがな。泉本人の希望で内緒にしてた。多分別れを言いたくなかったんだろ……」



サットンの言葉なんて耳に入らない。


泉が転校したという、その事実だけが俺の頭を支配していた―――…