そこに難点をのぞけば、千広はよく考えて計算している。

「けど、周陽平は財閥系のお坊っちゃんでしょ?」

その難点を園子は言った。

「だから何よ」

千広は言い返した。

財閥系のお坊っちゃんだから、何があると言うのだろう。

「たぶん、あっちも弁護士を雇うと思うよ。

東大卒の頭のいいエリートな一流弁護士を」

「は、はあ!?」

言っている意味がわからない。

「要はお金よ、高い金を出して頭のいい弁護士を雇うってことよ。

財閥のお坊っちゃんだし、金は腐るほどでもないくらいにある。

ヘタしたら、家専属の弁護士がいてもおかしくないと思う」

園子は言った。