「鈴原サン、貴方は今、どんな顔をしているかわかります?」
「……」
「無表情、ですよ」
淡々と、それが当たり前の様に、断言された。
まるで、医者が病名を宣告するみたいに。

そっと指の先で口と頬に触れ、確かめてみる。
…よく分からなかった。
ただ、哀しんでも怒ってもいないのは、言われなくても確かめなくても、分かることだった。

にこり、失礼間違えた、にたりと笑う化け狸。
「…少し苛めがすぎましたかね」
「……」
遊びの間違い、でしょう?
「ここまで鈴原サンにお喋りしてもらいましたからね。ここからは事件の進展報告(アタシの話)でもしましょうか。本題に入りましょう」

え、今まで前置きだったのか。
作者が他の作品(まだ非公開)を描きながら進ませるのにどれだけの労力を使い果たしたと思←何の話