『ダメよ。私は、此処から離れられない。貴方を護らないといけないから』
「はっ？！」

こいつ、何言ってんだ！

メリーの意味不明な発言に、陽一は頭が追い付かず、さらり混乱する。

「と、とにかく、俺はお前に護ってもらう筋合いはない！早く出て行けッ！」

陽一はなんとか言葉を絞りだし、メリーに竹刀を向け睨みつける。

目覚めたばかりだから、無理もないわね…。

メリーは、今の陽一を見て仕方ないと判断する。

『まだ、貴方に実感がないのも無理もないわ。…今日の所は、とりあえず帰るわ』

メリーは、窓に向かいながら陽一に話し出す。

『だけど、明日になれば分かるわ。“嫌”って程にね』

メリーは、意味深な言葉を残し、窓をすり抜けて出て行った。

なんなんだよ。一体…。

陽一は、腰を抜かして、その場に崩れ落ちて床に膝をつく。

取り残された陽一に残っていた物は、気絶をした友人と、メリーに言われた意味深な言葉だけだった。