って、ことは。もう雅を嫌いだとは言わないってことだよね?



「そっか。……いつでも遊びに来いよ。俺が相手してやるから」


「ハハッ……うん、わかった」



あれだよね。香って、母性本能をくすぐるタイプだよね。


雅も香ぐらいだったら丁度いいのに。



「なに」


「いえ、なんにも」



雅とバッチリ目が合ったら睨まれてしまった。


可愛げがない。

とか、言ったら殺されんだろうな。



「じゃあ、またね」



香の後ろ姿を見送る中、一番香を見つめていたのは雅だろう。


香のこと、好きなんだろうな……



「よし、今から抜けよっか」


「じゃあ、カラオケ行こうぜ!」


「いいね~!行こっ」



あたし達の青春は始まったばかり。


――…でも、そう長くは続かなかった。