「それに、あいつは仲間想いのイイ奴だ。俺達を裏切るわけねぇんだ……」
それが雅で。
それが、あたし達〝桜〟なんだ。
「ちっ……」
地面を悔しそうに見つめる偽物。
「お前、本当は誰なわけ?本物の雅はどこに……?」
「あ~あ、つまんないの。……いいよ、教えたげる。正体を見破ったご褒美」
でも顔や声、しゃべり方は似てる。
怖いくらい本物と変わらない。
「僕の名前は安部、香。旧姓……桜田、香」
あべ かおる……
旧姓が桜田……?
ん?桜田って、もしかして。
「そ。僕は雅の双子の弟。僕等の両親は4年前に離婚しててね?僕は母さんに、雅は父さんに引き取られた」
双子!?離婚……?