こうして客が注文していったものは俺の売り上げへと繋がっていく。
指名数が1番多い俺は、当然この店で1番の売り上げを誇っている。
―――‥数分後。
シャンパンを始めとする様々な種類の酒がテーブルに運ばれてきた。
ざっと見ただたけでも…2、30本くらいのボトルがテーブルの上に並んでいる。
「こんなに沢山頼んで大丈夫ですか?」
これだけの量を注文してくれれば俺にとっては有り難い事だが…一応、心配しているフリをしながら女に訊ねる。
「これくらい全然大丈夫っ♪ 琉依くんの為だと思ったらまだまだ足りないわよ〜」
女はあくまでも平気な表情を浮かべながら嬉しそうに俺の腕に自分の腕を絡ませた。
この仕事を始めてから女に嘘をつく事が以前にも増してどんどん上手くなっていた。
大抵の女は俺の嘘に全く気づく事なく簡単に騙されていく。
それどころか、嘘を見破ることなく自分は愛されているんだと思い込んでいる。
女は愛を求め過ぎる余りすぐに勘違いする哀しい生き物だ。
それを利用して生きている俺達ホストは最低だとか嘘吐きだと言われても仕方がないのかもしれない。