シュウさんを……



好きにならなきゃよかった。



「ちょっと動くから、辛かったら言って」



そう言ったと同時に体が浮き上がって。


シュウさんの肩に頭が当たる。


横抱きにされたんだと気付いたのは、シュウさんの声がすぐ近くで聞こえたから。



「取りあえず、あっちのベンチに行くから。それまで我慢して」


「……ごめん」


「ううん。俺こそ会った時に気付けばよかったのに。ごめんな」



もう声を出す事は出来なかった。





『ごめんな』





それが何に対してのものなのかが分からなくなっていて。



私はただ、目を瞑っている事しか出来なかった。