取りあえず無言で食事が進む。


箸を動かしながら、アヤ先輩が口を開くのを待った。



「これ」


「いいんですか?」


「うん。今から愚痴聞いてもらうし」



お弁当のふたを閉じたと同時に差し出されたのはプリン。


同じものを手にしていたアヤ先輩にお礼を言って受け取る。


フタを開けて、スプーンを入れようとした瞬間、突然降り下りてきた言葉に、周りの時間が止まったような気がした。





「別れたの」





どう反応していいか分からない。


てっきり、ケンカしたとかそういう言葉だと。


どこかで決めてかかっていた部分もあったから。


昨日、デートだって張り切っていた姿を知っていただけに……