時計が進む。


部屋にゆっくりと光が満ちていく。



母屋から切り離された牢獄にこもった、あの獣の、


そして、自分からも立ちのぼる、


あれと同じ臭い。




ぷちり。


ぷちり。



朝の静寂を走る牛乳配達。
後ろに積んだケースの中の、瓶同士ぶつかる音が、
切り裂くように日常を思い出させ、そこに帰るように、わたしを呼ぶ。




ぷちり。

ぷちり。