短くため息を吐いて俺に向き直した泉。背が低いからか見上げられている。


泉の目を見たら、さっきの冷たい瞳を思い出した。


まるで別人だった。

恐怖すら感じたし……。



「言ったよね?……俺は仲間とかいらないって。仲間とか、煩わしいだけだから」


「煩わしくなんかねぇ。だいたい、お前は俺達がいるA中に来た瞬間から仲間なんだよ」



そう。A中の生徒は全員仲間だ。

戦争以外は無駄に争わない。


そりゃ俺と頭争いすんのは自由だけどよ?


それ以外は争わない。



「でも。俺は桜には入らないから」


「何でそこまで頑なに拒否すんだよ」


「………。話す義理なんかない」



そう言うと泉は俺に背を向けて歩きだした。


……決めた。

俺、あいつを仲間にする。


絶対に……――――