「どっちの方向や!」



彼が笑いながら、私の頭を撫でる。



「オッサンまっしぐらやけど、付き合って大丈夫なん?」



けど、表情は一瞬にして戻る。

そんな彼に、私は一つ息を吐いて笑う。



「賞味期限は気にしません。
カビが発生しない限り!」



「お前なぁ;;」



ふざけた私に、苦笑してる彼の顔に、まだ“オッサン”なんて言葉は似合わない。

まだまだ、若い人。

30歳目前には、私にも誰にも見えないんだ。