ーープップーッ

ワンピを引っ張ったりしてると、クラクションが響いた。

顔を上げれば、黒のオデッセイが停まってる。

窓が開いたと思えば、「待たせた」と、高瀬紀斗が顔を出した。



「乗って!」



「どこに?」



「それは助手席やろ?」



お互いに首を傾げつつ、私は助手席に乗り込む。

どこへ行くのだろうか。

一体、何をどうするつもりなんだろうか。



「憂愛は私服やと大人びるな」



「…そうですか?」



この服で大丈夫だったのだろうか。

ホッとはするけれど、これから何が起こるのかには緊張する。