でも、ズルズルと引っ張られて、待ち合わせ場所という、レストランへ。

相手はイケメンの営業マンでお金もあるらしく、私以外の3人は興奮してる。

営業マンは口が上手いだけで、信用なんてあるようでないと思うんだけど。

壁際のソファーに押し込まれ、逃げ場をなくした私は小さくため息を吐く。



「憂愛、笑ってよー!」



隣に座る東雲小春ーシノノメコハルーが、私の頬をつつきながら言う。

有名な銀行の頭取の令嬢で、お金持ちな年上が好きな子。

精神的より、金銭面で男に甘えたがる癖がある。



「何も面白くないのに笑えないでしょ」



小春の手を退けて、時計を見た。