「萌は強いね」

「そんなことないよ」

伏し目がちに答える萌。

「卒業したら、会えなくなっちゃうかもしれないでしょ。

だから、今言わなきゃって思ったんだ」

「そっか…」



「あたしね、後悔したくないんだ」

遠くを見上げて、はっきり言う萌。

あたしには、そんな勇気ない。

萌が告白するのも、このまま瀬戸内と離れるのも、不安じゃないわけじゃない。

だけど、あいつの気持ちを知るのが怖いんだ。



「あたしには、マネできそうにないな…」

萌の隣で、あたしは小さくつぶやいた。