「うっはっはっはっは!敬え跪け愚民どもめがー!我はももやま帝国みのる王であるぞー!!」


「そんな馬鹿げた帝国、あってたまりますか。」



そういって沖田は実瑠の持っていた携帯を奪い取り、地面に叩き落とす。
携帯はバキャッと音を立てて真っ二つに割れた。


「うははははーッ?!携帯があああ!母上とのたった一つの連絡網があああ!」


実瑠は笑いながらも目に涙を浮かばせている。


「怪しいものは即刻断ち切るべきです。」


にこやかに笑って言う沖田に、人生で一番の憎しみを覚える。



「土方さん、この人おかしいので殺しときますか?」


「あー?いたぶる程度にはいいんじゃねぇか?」



そういう土方はまだ沖田の左手にある発句集を狙っている。



「こんなやつにいたぶられるとは一生の不覚!!そんなんなら舌噛み切るほうがマシじゃ!遺言は『沖田死にやがれ』でお願いします。」


「了解です。介錯は私が喜んでやってあげます。手元が狂って首落とすだけじゃすまないかもしれませんが。」





・・・こいつにはまだまだかなわない。
そう直感した実瑠であった。