余りにも寂しそうな三日月。




必死で光を放つその三日月は、真っ暗な空の中で、ものすごい存在感だった。




その月を見つめながら、遠い過去を思い出していた。






直が高校生だった頃。





娘がいること・・・・・・


そのことを隠していた俺は、ずっと心が痛かった。






真実を話したかった。



でも、怖かった。




毎晩、月を見ながら考えていたっけな。






本当のことを話さないと、俺と直に未来はないんだと、わかっていた。






嘘をついている自分は嫌いだった。






隠すこと、嘘をつくこと。





それは、相手も自分も傷つけることなんだと・・・・・・



身に染みたんだ。