この席、緊張する。



真由美さんは遠い席だし、沙織は今は大野さんと話してるから、私は豪太と話すしかない。




大野さんは、沙織の隣の席をゲット。





何を話しているのかわからないけど、結構仲良さそうに話していて、ホッとした。






「どしたの?」



豪太に声をかけられた。


だめだめ。




今、一瞬ドキっとしちゃった。





先生の“どした?”にちょっと似ていて。





「ううん。ちょっと酔っちゃったかな」



「もう酔ったの?大丈夫?」





微妙に話し方がさっきまでと変わっていた。



敬語じゃなくなってる!?





豪太にとっては、私は“新垣直”なんだな。



矢沢直を知らない人。