「はい。修斗」


お金を払い終えると、里穂が俺に買い物袋を差し出してくる。


ほんと、こういうところしっかりしてるよな。


「私、買い忘れたものあるから買ってくるね」


「ああ」


なんだか嫌な予感がしたけど、スキップでもしそうなその後姿を見送った。


「お待たせ、修斗」


それから里穂が戻ってきたのは、買ったものを袋に詰め終わってしばらくしたころ。


その手にはしっかりと、りんごのチューハイが握られていた。


「それ、どうすんだよ?」


「ん?私が飲むんだよ」


「だよな……」


ってことは、今日は酔っ払いに付き合わないといけないのか。


ニコニコと笑ってる里穂に、思わずため息をつきそうになる。


「帰ろっか、修斗」