顔を洗って、ラミカが入れてくれたコーヒーを飲んでいると携帯が鳴った。
着信相手は……姉貴。
「聡ちゃん、とらないの?」
「シカト。姉貴から連絡してくる時はいつもロクなことじゃねぇ」
「あ、今度はあたしの携帯に電話きた」
「とるなよ?」
「えーでも……」
ラミカの携帯を取り上げて、電源をオフにした瞬間……
カチャカチャと玄関の鍵が開く音。
ま、まさか……!
「居留守使ってんじゃねぇよ! この愚弟がぁ!」
「おはようございます」
姉貴と皆吉さんが部屋に入り込んで来た。てか……
「何でお前がうちの合鍵持ってんだよ!?」
「ん? 面白いから」
「面白くねぇよ! 不法侵入だぞ! って、ラミカ! お前もお茶なんか出すな!」
「いいじゃん。久しぶりなんだから。杏さんも皆吉さんもどうぞ」
ラミカは不法侵入してきた二人を笑顔で緑茶でもてなす。ちょっとはビックリしろよ。
「ラミカちゃんはやっぱり気がきく子ね。私の好きな飲み物知ってるんだから」
「ラミカ様、さすがです。いただきます」
はぁ……朝から爆弾を抱えたのがやって来て、舌打ちしながらタバコに火をつけた。